ビットコインが500万円を超えるというと、突拍子もないことを言っているように聞こえるでしょう。
しかし、希少性という観点からみると、2020年に500万円を超えるというのはむしろ自然なことなのです。(あくまで希少性から見たときの話です。)
ビットコインの希少性
ビットコインには発行上限が設けられており、2100万枚以上は発行できないシステムになっています。(一応マイナーの同意が得られればできないことはないのですが、基本的には不可能です)
また、現在も10分に1回程度の頻度で12.5BTCが発行されています。
これは世界中のマイナー(ビットコインを採掘しようとする人。PCやスマホがあれば誰でもなれる。)がたくさんのコンピュータに計算をさせて、一番早く計算を終えた人に12.5BTCの報酬が支払われているからです。
現在は、10分に12.5BTCが報酬となっていますが、2016年7月以前は10分に25BTC、2012年11月以前は50BTCが報酬として支払われていました。
これは、ビットコインには4年に1度程度、報酬が半分になる、半減期というシステムが組み込まれているからです。
つまり、来年(2020年5月頃)にはまた半減期を迎えることになるのです。
ちなみに、現在流通しているビットコインは1800万枚程度で、埋蔵量は300万枚を切っています。
改ざんが不可能
ビットコインは、マイニング以外の方法で新規に発行したり、改ざんしたりすることは不可能です。
こう言うと、おそらくビットコインに詳しくない人は、
「マウントゴックス事件やコインチェック事件で仮想通貨が流出しているじゃないか!」
と思うことでしょう。
しかし、マウントゴックス事件(BTCの流出)や、コインチェック事件(XEMの流出)はビットコイン自体に問題があったわけではないのです。
取引所がビットコインを動かす鍵を盗まれてしまっただけであって、ビットコイン自体が攻撃されたとか、改ざんされたということではありません。
たとえて言うならば、
ビットコインを管理している取引所が、ビットコインを入れている金庫の鍵を盗まれてしまった
という感じです。
金を管理している銀行が、金を入れている金庫の鍵を盗まれてしまったとしても、金自体に問題があるということにはなりませんよね。
実はビットコインには強力な堅牢性があるのです。
銀以上、金以下の希少性
ここで話を本題に戻しましょう。
ビットコインの希少性を金や銀、他の金属と比べてみます。
希少性の基準は様々な定義があると思いますが、ここではSF(ストック対フロー)比率を使って検証してみます。
SF比率とは「備蓄量」と「年間の生産量」の比率です。
例えば、SF比率が100であれば、現在の備蓄量と同等の量を生産するには100年かかる、ということです。
つまり、SF比率が高ければ高いほど、希少性が高いということです。
では、金や銀のSF比率を見てみましょう。

主要金属のSF比率 引用:Modeling Bitcoin’s Value with Scarcity
金のSF比率は62、銀は22です。
SF比率の高い金属が、歴史的に通貨として機能してきた、ということが分かると思います。
では、ビットコインのSF比率はいくつでしょうか。
10分間に12.5BTCが発行されるため、1年間では、
12.5×6×24×365=657000 BTC
です。
発行枚数は1811万枚(2019年12月20日時点)ですので、SF比率は
1811÷657=約27.5
ということになります。
SF比率でみると、ビットコインは銀以上、金以下の希少性を持っているといえるでしょう。
SF比率と時価総額の関係
実はSF比率とビットコインの時価総額には強い相関関係がみられます。

SF比率と時価総額 引用:Modeling Bitcoin’s Value with Scarcity
これは過去のビットコインのSF比率と時価総額のグラフです。(軸は対数を取ってあります。見やすくするためです。)
見るからに相関関係が見て取れますが、統計的にも優位性があるそうです。
また、表の右上にグレーの丸(銀)と黄色い丸(金)が確認できます。
金と銀が、ビットコインの回帰直線にのっているのが分かるでしょうか?
このグラフから、半減期後のビットコイン価格を予想できるかもしれません。
2020年、ビットコインは500万円を突破するか?
現在、ビットコインのSF比率は27、2020年の半減期を迎えれば54以上になります。
あくまでこの回帰直線に沿っていけばという前提ですが、半減期後のビットコイン価格は500万円を超えることになります。
もちろん、このグラフは相関関係を示したものであるため、因果関係までは分かりません。
この先どうなるかは誰にも予想できませんが、どちらにしても未来が楽しみですね。
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